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若手対象に訪問看護師を育成 県協会が本格プログラム始動

プログラムに参加し訪問看護のトレーニングを積む看護師(右)

 岡山県看護協会(岡山市北区兵団)は若手を対象にした訪問看護師育成の本格的なプログラムをスタートさせた。超高齢社会を迎え在宅医療の需要が高まる中、2年計画で看護技術や看取(みと)りの心得などを教え、核となる人材を育てていく。

 対象は訪問看護ステーションに就職して間もない新卒者ら。岡山大の教員や同大病院の看護師らで検討委員会をつくり今春、カリキュラムを考案した。

 1年目は訪問看護の実地トレーニングを重ねながら、基本的な看護技術や倫理なども学ぶ。2年目は終末期のケアや患者・家族とのコミュニケーション能力を磨き、看取りを体験する。現在、2人が受講している。カリキュラム作成に携わったメンバーが定期的に研修の成果を評価し、受講者と指導者の双方に助言する。

 訪問看護は病気や障害のある人が家庭や地域で療養できるようにケアする医療・介護サービス。県訪問看護ステーション連絡協議会によると、県内の訪問看護師は約700人と全看護師の3%にも満たない。40代以上が約8割を占め、若手を中心とした人材確保が大きな課題となっている。

 県看護協会は毎年3人程度を育成する方針。事業を計画した協会の江田純子地域包括ケア推進室長は「訪問看護を充実させなければ超高齢社会は乗り切れない。組織を挙げて質の高い担い手を育てていきたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年11月04日 更新)

タグ: 介護医療・話題

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