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遺伝子、細胞治療 岡山大が教育センター開設へ 学外にもノウハウ提供

 岡山大は、遺伝子治療や細胞治療に携わる専門医を育成する「バイオ医療健康教育センター」を、九月にも同大鹿田キャンパス(岡山市鹿田町)に設ける。中四国の他の医療施設の人材も対象に、研究で先行する同大のノウハウを提供する。

 同大は一九九九年に肺がん、二〇〇一年に前立腺がんの遺伝子治療を、ともに国内で初めて実施。同キャンパス内の「遺伝子・細胞治療センター」が、安全性や有効性に関するデータ評価などを通して各診療科の研究支援態勢を取るなど、研究環境も整っている。

 計画によると、対象は同大、川崎医科大の岡山県内大学のほか香川大、鳥取大、山口大、四国がんセンター(松山市)の六施設。各施設では動脈硬化の遺伝子治療(香川大)や、膵臓(すいぞう)がん細胞をリンパ球で攻撃する細胞治療(山口大)などを計画中。

 今秋、医師四人程度を採用。医師は〇九年度末まで、遺伝子・細胞治療センターに所属し、岡山大側の先行研究にスタッフとして実験やデータ分析などに当たる。一方で、出身施設での研究も引き続き進めるという。

 松井秀樹・同大医学部長は「岡山大の研究の蓄積を他施設に還元することで、中四国の医療水準向上につなげたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年08月04日 更新)

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