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玉野で要介護者呼吸器ケア勉強会 ママック、看護師らの技能向上で

ママックのベテラン理学療法士から人工呼吸器を装着した人の呼吸介助について教わる参加者

 介護サービス業のアール・ケアが運営する「訪問看護ステーション ママック」(玉野市東高崎)は、看護師やリハビリスタッフ、介護ヘルパーらを対象に、肺、気管など呼吸器のケアに関する勉強会を開いている。アール・ケア系列だけでなく、他施設の職員にも参加を呼び掛け。共に技能を高めることで要介護者が安心して自宅で暮らせる地域づくりを目指す。

 勉強会は看護師の西坂陽子さん(49)を中心に企画。人工呼吸器が必要な重度の要介護者には、生命の危険に直結する事態が起こる可能性もあるため、緊急時の対応、介護する家族へのアドバイスを適切に行えるようにと、1月に始めた。毎月第3木曜日に開催。これまでに肺、気管の構造や、せきが出る仕組みなどについて学習した。

 人工呼吸器の使い方などをテーマにした10月20日の勉強会には、ママック、市内の訪問介護事業者、岡山市の病院などに勤める15人が参加。メーカーの担当者から操作手順や警報音の意味を教わった後、ベテランの理学療法士から人工呼吸器を装着した人の呼吸介助などについて説明を受けた。

 参加したママックの作業療法士(23)は「人工呼吸器を装着した人のリハビリ中に異変が起きたとき、適切な対応ができるか不安があった。今後の仕事に役立ちそう」と話す。

 今年の勉強会は11月17日が最終回。誤嚥(ごえん)性肺炎の予防につながる痰(たん)の出し方などについて学ぶ予定。

 ママックは市内と倉敷市児島地区の約230人に訪問看護を行っており、このうち約10人が人工呼吸器を必要とする要介護者。西坂さんは「自宅で介護を受ける人は玉野でも増加傾向。呼吸器ケアの技術は急激に進歩しており、要介護者本人や家族のニーズと看護師らが持つ能力の間にギャップが生じている面もある。勉強会でその穴埋めを図りたい」としている。

 ママックは来年以降も勉強会を継続する方針。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年11月12日 更新)

タグ: 介護

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