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エイズ患者、感染者大幅減? 岡山県、受検者減要因か

 今年に入り、岡山県内で新たに確認されたエイズ患者とエイズウイルス(HIV)感染者は計9人(10月30日現在)で、前年同期と比べて半数以下で推移していることが県のまとめで分かった。要因として、県は検査を受ける人が減ったことを挙げ「早期発見なら発症を防ぐことが可能。知らないうちに感染を広げることもない」と積極的な受検を促している。12月1日は世界エイズデー。

 県健康推進課によると、今年の内訳は患者2人、感染者7人。20~50代のいずれも男性で、うち6人は感染リスクが高いとされる同性での性行為経験があった。患者4人、感染者16人だった前年同期と比べ半減している。

 年間で感染者・患者の新たな確認が1桁となったのは2006年が最後で、10年以降で見ると、年間20人前後で推移している。

 同課は「関心の薄さから検査を受けるべき人が受けていない恐れがある」と指摘。実際、県内の保健所やエイズ治療拠点病院(10カ所)などでの過去5年の検査件数は年間1300件前後だったが、今年は9月末現在で871件にとどまっており、受検者の減少により感染が見過ごされているケースがあるとみている。

 HIV感染者が県内で初めて確認されたのは1991年。それから感染者・患者の累計は217人にまで増えたが、近年は治療薬の進歩などで、早い段階で感染が分かれば、発症を抑えられる可能性も高まっているとされる。同課は「心当たりのある人はぜひ検査を」と呼び掛けている。

 世界エイズデーにちなみ、県内各保健所・支所は12月1~15日、通常検査とは別に、持ち回りで夜間検査を実施する。いずれも無料、匿名で、一部を除き予約が必要。問い合わせは同課(086―226―7331)か各保健所。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年11月30日 更新)

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