文字 

旭川荘音楽アカデミー10周年  障害児の楽団、自主性育む

職員らの指導を受けながら練習する「旭川荘ミュージックアカデミー」のメンバー

 社会福祉法人・旭川荘(岡山市北区祇園)の知的、身体障害児でつくる楽団「旭川荘ミュージックアカデミー」が今秋、発足から10周年を迎える。定期的な練習と公演を重ねており、子どもたちが音楽を通じて自主性や自信を育める場となっている。

 同荘で以前演奏したことがある世界的バイオリニスト五嶋みどりさんの提案で2007年10月、「音楽を通じた自己表現」を目指し発足。以降、知的障害児施設・旭川学園と肢体不自由児施設・旭川療育園に入所する子どもの希望者が、毎週土曜にサックスやキーボード、ギターなどを練習している。現在は中学1年~高校3年の15人前後が集まる。

 いずれも楽器に触れ、音を出すことからのスタートだが、音楽経験のある同荘職員らの指導で次第に上達。楽器を持ち上げられない車いすの子どもが膝上のボードに載せて固定したり、視力が弱く、手元が見えづらい子はバイオリンの弦の数を減らしたりしてハンディを補っている。

 レパートリーは「きらきら星」「威風堂々」など5曲。「仲間と気持ちを合わせて演奏するのが毎週楽しみ」と管楽器のコルネットを担当する岡山支援学校高等部2年の女子(16)。練習成果は、年に1回以上を目標に岡山県内各地で市民や家族らに披露している。

 活動を続けるうち、子どもたちが曲を自分でアレンジしたり、学校の授業で習った曲の演奏を提案したりする場面も増えたという。「それぞれが自信をつけ、成長していくのを感じる」と指導する女性職員(58)。指導者をどう確保していくかが悩みだが「今後も息長く応援したい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年01月09日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ