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若いころ感染、重症化し発覚 高齢結核患者目立つ 岡山県、早期発見呼び掛け

県内の新規結核患者数の推移(グラフ)

 岡山県内で結核新規患者の高齢化が進んでいる。流行した若いころに感染し、免疫力の低下で発病。重症化して発覚する傾向も強まっており、県健康対策課は早期発見・治療を呼び掛けている。二十四―三十日は結核予防週間。

 定期検診などを機に、県内で新たに見つかった結核患者は二〇〇六年で三百二十八人。十年前の九六年(五百四十六人)より四割少なく、減少傾向にある。年齢別では、七十歳以上が60%(百九十七人)に上り、五年前(50%)より10ポイント、十年前(42%)より18ポイント高くなった。

 一方で、結核の八割(二百六十人)を占める肺結核患者のうち、たんから結核菌が検出され、飛沫(ひまつ)感染の恐れが強い重症患者の割合は増加。〇六年は54%で〇一年(37%)より17ポイント増えた。県健康対策課は「たんの検査精度の向上もあるが、患者の受診が遅れたり、関心の低下による医療機関の診断の遅れも影響している」とみている。

 結核は薬で半年―一年で完治するが、放置すれば呼吸困難から死に至ることもあり、県内では〇六年、二十二人の死亡が確認された。

 県健康対策課は「高齢者がせきで孫に感染させるなど世代間の“連鎖”を断ち切る必要がある」と強調。「定期検診や生後六カ月未満のBCG接種を確実に受けるほか、気になる症状があれば早めに受診してほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年09月24日 更新)

タグ: 健康高齢者肺・気管感染症

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