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ベトナム初の肺移植成功へ全力 岡山大病院、現地医療進展に意欲

ベトナムで実施する生体両肺移植手術について記者会見する大藤剛宏教授(手前)らの移植チーム=岡山大病院

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は14日、ベトナムに肺移植チームを派遣して21日に実施する6歳男児への生体両肺移植を前に記者会見し、執刀する臓器移植医療センターの大藤剛宏教授が「ベトナム初の肺移植成功に向けて全力を尽くし、現地の移植医療の進展につなげたい」と意気込みを語った。

 大藤教授はチームとともに岡山大病院で会見した。男児は病気のため体の大きさが2歳程度といい「現地の医療環境も考慮すると難しい手術となるが、準備のため、既に2回渡航するなど万全を期している」と強調した。

 ベトナムでの肺移植に備え、岡山大病院は同国側から医師11人を受け入れ、肺移植3例の見学を実施。大藤教授はこうした現地の移植医療人材の育成支援を今後も並行して行う考えを明らかにし「初の成功で弾みをつけ、将来的には現地スタッフだけで移植ができるようになれば」と期待した。

 男児は肺に空洞ができて膿(うみ)がたまり、呼吸不全などを引き起こす難病・嚢胞(のうほう)性線維症を患い、ハノイの大学病院に入院中。派遣チームは麻酔科医、看護師らの肺移植チーム計29人で、手術は臓器提供者2人から切除した片肺の下部を移植する。

 大藤教授は2011年、スリランカでも初の肺移植を成功させており、岡山大の海外での移植手術は2例目。渡航費などはベトナム側が負担する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年02月14日 更新)

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