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岡山大病院・大藤教授「満点」 6時間半の手術「計算通り」

大藤剛宏教授

 ベトナムで生体両肺移植を終えたばかりの岡山大病院・大藤剛宏教授が取材に応じた。主なやりとりは次の通り。

 ―今の心境は。

 「岡山大病院だけでなく、日本の『移植医療』を代表する仕事。無事に終え、ほっとしている。日本から来た仲間たちが岡山大での手術と同じ状況を再現してくれたおかげだ」

 ―6歳の男児への6時間半に及ぶ手術だった。

 「満点の出来。患者とドナー2人の手術で準備も大変だったが、大きなポイントは大人の肺が小児の胸に入るかどうかだった。『何とか入る』と見立てて踏み切ったが計算通りだった」

 ―医療設備が決して十分とはいえないベトナムでの移植だった。

 「日本では考えられないことの連続だった。動作確認した機械が当日になって動かない。手術中に出した検査データが明らかにおかしいこともあったが、そのまま現場判断で続けた」

 ―今回の手術の意義は。

 「現地の多くの医師、看護師もわれわれの手術を見守っていた。目の前の子どもの命を救うのが最大の目的だが、肺移植という大きな医療技術が国内に入り込んだことを機に、医療のさまざまな分野の発展につながればうれしい」
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年02月21日 更新)

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