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ヘルペス感染症 原因、治療の基本解説  岡山医療センター益田皮膚科医長 ストレスや過労注意 種類に応じた対策重要

口に出来た単純疱疹の症状を説明する益田医長

 口やおなかの周りに突然水ぶくれや発疹(ほっしん)ができたことはないだろうか。ヘルペスウイルス感染症という皮膚病で、体の免疫機能が低下したときなどにみられ、ウイルスの種類によっては繰り返し現れることがあるやっかいな病気だ。国立病院機構岡山医療センター(岡山市田益)の益田俊樹皮膚科医長に発症の原因や治療の基本を解説してもらう。12日は「皮膚の日」。

 決して珍しい皮膚病ではない。だれでもかかる可能性がある。

 病気を起こすのはヘルペス(疱疹(ほうしん))ウイルス。その中でも代表的なのは「水痘・帯状疱疹」と、「単純疱疹」の二種類のウイルスだ。

 水痘・帯状疱疹ウイルスは水ぼうそうを引き起こすウイルスとしても知られる。水ぼうそうが治癒した後も胸や腹、背中、顔などの神経節に潜み、大人になってその周辺に症状を引き起こす。「体の左右どちらかの皮膚が赤くなり、そこへ小さな水ぶくれができる。ピリピリ、ズキズキと痛い」と益田医長。

 単純疱疹は主に口の周りが赤く腫れて水ぶくれができ、チクチクした痛みを伴う。

 どちらも免疫力の低下が発症の原因だ。「過労やストレスがたまっていたり、風邪をひいたり重い病気をした後が出やすい。単純疱疹は各年齢層にみられるが、帯状疱疹は高齢者ほど多くなるのが特徴」と言う。

 治療は抗ウイルス薬を服用するか注射する。単純疱疹の場合は軟こうを使用する。

 「帯状疱疹は一週間ほど薬を使えばウイルスの増殖が止まり、約三週間で発疹は治まる。単純疱疹は患部を清潔に保っていれば、次第にかさぶたになり二週間ほどで自然治癒する。だが薬を使えばもっと早く治る」

 ただ「どちらも注意してほしい点がある」と益田医長。

 例えば帯状疱疹は後遺症となる神経痛だ。ウイルスによって神経にダメージが生じるためで、何年も痛みが続くケースが高齢者ほど多くなる。「痛み止めを内服したり、カイロで温めたりすると抑えられるが、後遺症を軽くするためにも症状が出たら早めに病院へ」と呼び掛ける。

 一方、単純疱疹は再発。一度発症すると再発しない帯状疱疹に比べ、一年間に二、三回繰り返す人もいる。

 再発した場合、皮膚につっぱり感やかゆみが出るため、まず家庭で余った薬を使うなど早めに治療を始めるといい。

 さらにウイルスは人から人に感染することも。性交渉により外陰部に発症したり、赤ちゃんにほおずりしただけでうつるケースもある。

 「同じヘルペスウイルスだが、それぞれ性格を理解し、種類に応じた対策を取ることが重要。症状が出て気になったときは専門医に相談してほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年11月10日 更新)

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