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創傷ケアセンター開設 岡山・榊原病院 足のかいよう治療目指す 専門外来で切断回避へ

創傷ケアセンターの外来で、患者の足を治療する石田部長ら

 糖尿病に伴う足のかいようは治りにくく、足の切断につながりかねないやっかいな病気だ。その治療を目指し、心臓病センター榊原病院(岡山市丸の内)は今月、創傷ケアセンターを開設、週一回の専門外来を始めた。 

 かいようは糖尿病のほか、足の血管が詰まる閉塞(へいそく)性動脈硬化症などで血液の流れが悪くなり栄養が行かないため起きることが多い。ひざから下の部分を中心に手にも生じる。皮膚がただれてなくなり、重症になると骨がむき出しになる。患部から入った病原菌が全身に回る恐れもあり、足や手を切断せざるを得ないこともある。

 ただ、「原因が血管の病気とは気付きにくく、どの診療科を受診すればいいか、患者は迷う。診察時は既に重症の場合も多い」と同病院の石田敦久外科部長。創傷ケアセンターの開設は、糖尿病などのかかりつけ医と連携を深めて患者に早期受診を促し、足の切断を避けるのが目的だ。

 治療は米国の専門プログラムに基づき、かいようの状態や感染症の有無を診断し原因を特定。それぞれに応じた処置や投薬を行い、十四週間以内で治癒を目指す。同プログラムは日本でも約二十医療機関が既に導入、八割以上の傷を治癒する実績を挙げているという。

 治療は一、二週間に一回の通院が基本だが、傷の原因となっている動脈硬化の手術やカテーテル治療は入院で行う。

 石田部長は「足のかいようは六十~七十代に多い。足を切断すると寝たきりになりやすく、QOL(生活の質)の低下は著しい。慢性の傷が完治しなかったり、他の医療機関で切断を勧められた患者は早めに相談してほしい」と語っている。

 同センターの外来は毎週水曜日午後一時半~三時半。予約制。問い合わせは同病院(086―225―7111)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年12月18日 更新)

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