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1歳女児への脳死両肺移植始まる 岡山大病院、国内最年少の患者

両肺が入ったケースを運び込む医師ら=11日午前10時10分、岡山大病院

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で11日朝、肺の血管が狭まって心機能が低下する肺高血圧症を患う1歳女児への脳死両肺移植が始まった。同大病院によると、生体を含めて国内最年少の肺移植患者となる。臓器提供者(ドナー)は広島県内の病院に小脳出血で入院していた6歳未満の男児。

 手術は臓器移植医療センターの大藤剛宏教授を執刀医とするチーム約20人が同日午前9時10分に開始した。順調に進めば同日夜に終わる見通し。

 患者の女児は出生後間もなく呼吸状態が悪化したため入院。集中治療室での薬物療法や人工呼吸などで回復を図ったが状態が改善せず、今年2月に日本臓器移植ネットワークに登録していた。同ネットワークによると、ドナーの男児は10日午前、臓器移植法に基づき脳死と判定され、家族が臓器提供を承諾した。

 6歳未満の脳死は国内7例目。うち10歳未満の患者への肺移植は同5例目、同大病院では2016年4月に次いで4例目となる。これまでの肺移植患者の国内最年少は、14年9月に同大病院で生体移植を受けた2歳男児だった。

 同大病院での脳死肺移植は82例目で、生体と合わせ166例目。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年05月11日 更新)

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