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ユニマチュード 岡山旭東病院院長 土井章弘

 高齢化の波は、病院にも押し寄せてきており、高齢者にとって病気を治すと同時に、癒すことが最大の課題といえる。特に高齢化に伴って、老化の結果としての認知症の方々が多く来院されるようになっている。認知症は全国で500万人ともいわれており、私たちの社会もそれに併せて変革していくことが求められている。

 病院に入院されている病客の20%には、認知障害があると思われる。以前は、認知症状のある患者さんが徘徊したり、大声をあげたり、無断で外出したりのトラブルが多くあったが、最近は看護師や介護福祉士などのケアが向上したことと、MSW(医療ソーシャルワーカー)、リハビリスタッフなどのコメディカルスタッフの対応が、患者さんの心によりそって、「あなたのことを、わたしたちは大切におもっています。」との態度で、接してくれているおかげであると感謝している。退院時アンケートからも、家族などから、患者さんの対応への感謝の言葉をいただいている。

 認知症ケアに、フランス人である、イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティの二人によってつくり出された、知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケアの技法(ユニマチュード)が日本に紹介されて大きな反響を呼んでいる。ユニマチュードは、認知症の方への対応の技術で、「あなたのことを、わたしたちは大切におもっています」との態度で接することである。認知症のあるなしにかかわらず、高齢者の多くの人との関わりの知恵として、医師や看護師だけでなく、医療職はもちろんであるが、一般の人も学び、日々の人間関係の中で活かしていくことが大切である。

 国が目指している包括ケアシステムの中で、広く応用していける考えであると思う。

参考文献
本田 美和子/イヴ・ジネスト /ロゼット・マレスコッティ 「ユマニチュード入門」, 医学書院, 2014.
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年05月16日 更新)

タグ: 岡山旭東病院

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