文字 

津山中央病院「結カード」を運用 早急対応で退院患者の不安解消

津山中央病院が運用を始めた「結カード」を手にする林病院長

 津山中央病院(津山市川崎)は、慢性疾患や症状の安定で退院する患者に対し、同病院医師とかかりつけ医との連携を示す「結(ゆい)カード」の運用を始めた。急病でかかりつけ医と連絡が取れない場合など、同病院医師が面倒な手続きなしで早急に対応する仕組み。退院後の患者の不安感を和らげる狙いで、同病院によると、岡山県内でも珍しい取り組みという。

 カードには、患者番号と氏名、診療科、担当医のほか、かかりつけの医療機関と医師名を明記。当面は循環器系の疾患や難病の患者向けとし、症状が落ち着いてきた患者を対象に、担当医と各診療科部長の判断で発行する。作州エリアの全165医療機関のうち、126機関と連携登録を結んでおり、かかりつけ医を持たない患者には病院で紹介する。

 発行後、患者は自身に異変があった場合、まずはかかりつけ医に相談する。不在の場合などは同病院に連絡し、カードを発行した医師の指示を受ける。対応した同病院医師は、かかりつけ医に受診内容を報告し、今後の診療に生かすという。

 4月から運用をスタート。カードには、救命救急を担う中核的な総合病院と、地域の身近な医療機関との機能分化を推進する役割もある。導入の準備を進めてきた林同輔病院長(59)は「患者が住み慣れた場所で安心して過ごすために、二つの医療機関をつなぐお守りのような存在となってほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年05月16日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ