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9年かけ現代医学教育博物館一新 川崎医科大、最新医療コーナーも

9年がかりのリニューアルが完了した現代医学教育博物館の2階展示室

新たに開設された「最新の医療」コーナー

 川崎医科大現代医学教育博物館(倉敷市松島)が9年がかりで取り組んできた展示室の全面リニューアル事業が完了した。「体のしくみ」に始まり、「病気の予防」「いろいろな病気」、そして新たに「最新の医療」を加えた4コーナーで、現代医学を巡る幅広い関心に対応している。

 最先端の内視鏡手術ロボットを駆使した治療の光景が大画面で繰り広げられる。「最新の医療」コーナーは、私たちが受けられる医療の進化を臨場感たっぷりに伝えてくれる。

 同大創立10周年記念事業で1981年、全国的にも数少ない医学の教育普及施設としてオープンした同博物館。当初の展示テーマは「生活習慣病」だったが、授業や研修で訪れる児童生徒や医療系専門学校生ら、来館者の世代が広がるにつれて「『もっと本格的に学びたい』との声が集まってきた」と同博物館の中村信彦課長。要望に広く応えるため、2008年からリニューアルを進めてきた。

 展示は四つのテーマで再構成。各コーナーは、小学4年生でも理解できるよう表現を工夫した解説パネル約20点に、臓器や骨格の模型、標本と視聴覚機器などを組み合わせ、段階的に開設してきた。

 「体のしくみ」コーナーは、生命の誕生から細胞の構造、呼吸器や消化器、骨格など人体のつくりを紹介。「病気の予防」は、生活習慣病、感染症などを防ぐための食生活改善や予防接種、健康診断などの大切さを指摘する。「いろいろな病気」では、がんのさまざまな症例や男女の年代ごとにかかりやすい心身の病気を取り上げている。

 4月に完成した最後の「最新の医療」コーナーでは、同大付属病院が全国に先駆けて導入したドクターヘリをはじめ、人間技の限界を超えて精密な手術を可能にするロボット支援システム、コンピューターナビゲーションを用いたスポーツ外傷治療などを解説。84インチの大型モニターを設置し、同大の付属病院や総合医療センター(岡山市)での高度医療を動画で紹介している。

 中村課長は「大人から子どもまで、多くの人に医学や医療、健康について楽しみながら理解を深めてもらえる場にしたい」と話している。

 入館無料。学園創立記念日(6月1日)と年末年始、祝日のみ休館。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年05月22日 更新)

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