文字 

「禁煙」登録の飲食店伸び悩み 岡山県認定施設、客離れ懸念か

県から禁煙実施施設の認定を受け、店頭に禁煙ステッカーを掲示するコーヒー専門店=岡山市北区奉還町

 受動喫煙を防止するため、禁煙か完全分煙を実施している施設に認定証を交付する岡山県の事業で、飲食店などの登録が伸び悩んでいる。受動喫煙防止を強化する健康増進法改正に向け、飲食店の規制が焦点となる中、客離れへの懸念などから禁煙・分煙に積極的に乗り出せない実態が浮かぶ。6日まで「禁煙週間」。

 事業は2003年度にスタート。敷地や施設内の喫煙を全面的に禁じた「禁煙」、換気扇付きの喫煙室などを設けた「完全分煙」に取り組み、県へ申請した施設に対し認定証(ステッカー)を交付する。

 県は22年度末までに3千カ所の目標を掲げており、16年度末までの認定施設は2606カ所(禁煙2516カ所、完全分煙90カ所)。保健・福祉・医療施設や教育関係機関、官公庁施設の登録が全体の80%近くを占める一方で「飲食店等」はわずか1・5%(40カ所)にとどまる。

 飲食店の登録が振るわない点について、県健康推進課は「客離れを心配しているのでは」と分析。認定施設でも、商売上プラスに働くばかりではないとの思いからか「施設名を非公表にしてほしいというケースがある」という。

 岡山市北区奉還町のコーヒー専門店「1518珈琲」は11年のオープン当初から禁煙に取り組み、14年に県の認定を受けた。店主佐藤幸男さん(63)は「店頭の禁煙ステッカーを見て入店をやめる人もいるが、禁煙だからと来てくれる人も多い。たばこの煙を気にせずコーヒーの味や香りを楽しめるので常連客に好評」と話す。

 県健康推進課の竹ノ内純一総括参事は「飲食店は対象となる数が多い上、不特定多数が利用し、子ども連れも訪れる。健康増進法改正の動向を見ながら、飲食店への禁煙・完全分煙化の推進に力を入れたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年06月04日 更新)

タグ: 健康

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ