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麻痺筋肉の機能回復訓練用 新低周波治療器を開発 オージー技研が全国初 「筋電」測定し活用

オージー技研が開発した機能訓練用の低周波治療器

 医療機器製造販売のオージー技研(岡山市海吉)は、脳卒中などで麻痺(まひ)した筋肉の機能回復訓練用の低周波治療器を開発、販売を始めた。手足などを動かす際に発生する「筋電」と呼ばれる電気信号を活用した全国初のタイプで、病院やリハビリ施設などに売り込む。

 低周波治療器は、麻痺した筋肉を電気で刺激して動かし、麻痺部分の筋委縮や、筋肉が硬くなる硬縮といった症状の悪化を防ぐ。

 新製品は、麻痺した筋肉からも、健常時より微弱ながら筋電が発生していることに着目。筋電を測定することで、脳がどの筋肉を動かそうとしているのかを把握して刺激し、患者の意思に沿った筋肉動作をサポートする。「神経の完全断絶などを除き、臨床試験では、麻痺部分の機能が回復したケースが複数あった」(同社)という。

 技術移転機関の慶応大知的資産センター(東京)から、筋電量を測定して電気刺激を与えるシステムの特許実施権を取得。二〇〇三年に開発へ着手し、試作機での臨床などを経て昨年十月、厚生労働省から医療機器の認証を受けた。

 筋電量に応じて電気刺激の強さを制御するプログラム機材(縦二四・一センチ、横二二・四センチ、高さ九・七センチ)と、筋電量測定や低周波の電気を出力する機材(同一三・九センチ、同八・一センチ、同三・七センチ)などのセット。価格は百十七万円(税抜き)。商品名は「パス・システム」。初年度一億円の売り上げを目指す。

 同社は「今回の技術を応用し、今後は日常生活で装着できるタイプのリハビリ用治療器の開発を目指す」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年01月22日 更新)

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