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治療と仕事両立支援へチーム発足 岡山労働局、県、医師会など

病気の治療と仕事の両立支援普及へ課題や対策を協議した第1回会議

 がんをはじめとした病気の治療と仕事の両立に向けた環境整備が課題となる中、岡山労働局は県内の医療機関や医師会、労働組合などでつくる「県地域両立支援推進チーム」を10日、発足させた。国が昨年2月に策定した両立支援の企業向けガイドライン(指針)に基づき、柔軟な勤務形態の実現などサポート態勢の充実を目指す。

 国は都道府県レベルで推進チームの設置を目指しており、厚生労働省によると岡山が全国で初めてという。

 岡山市北区下石井の岡山労働局でこの日、第1回会議があり、県や岡山大病院、県医師会、県経営者協会、連合岡山など12機関の代表が出席。セミナーやリーフレットを通して、治療に配慮した労働時間の短縮や休暇制度といった環境整備を企業に促すことや、主治医、企業・産業医、コーディネーターによる「トライアングル型支援」の普及に取り組むことなどを決めた。

 指針が重視するがん治療と仕事の両立を巡っては、岡山大病院腫瘍センター長の田端雅弘医師らが2012年に行った県内調査で、がんを患った会社員らの4分の1が依願退職や解雇されるなどした深刻な実態が判明。会議に参加した田端医師は「がんを患うと仕事を辞めて治療に専念する必要があるとの固定観念が、企業や患者の間でもまだまだ根強いのが実情だ」と指摘する。

 同労働局の佐々木英一労働基準部長は「労働人口が減少する中、貴重な人材を失わない意味でも治療と仕事の両立は喫緊の課題。支援策の普及に向け、社会的な機運を醸成したい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年07月10日 更新)

タグ: がん岡山大学病院

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