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「頑張らずにスッパリ禁煙」出版 岡山済生会総合病院の川井医師

川井医師が出版した「頑張らずにスッパリやめられる禁煙」

川井治之医師

 岡山済生会総合病院(岡山市北区国体町)で禁煙外来を担当する川井治之診療部長(51)が「頑張らずにスッパリやめられる禁煙」(サンマーク出版)を出版した。ニコチン依存症から抜け出すための心の持ち方や生活の注意点を解説。「何度失敗した人でも大丈夫。適切な方法で取り組めば必ず禁煙できる」と訴えている。

 川井医師によると、ニコチン依存症には、たばこを吸わないとイライラする「身体的依存」▽寝起きや食後に必ず吸う「習慣依存」▽たばこの害を過小評価したり喫煙を正当化する理由を探したりする「心理的依存」―の三つのタイプがある。自分はどのタイプに陥っているかを知り、それに見合った対処をするのが禁煙の近道という。

 「身体的依存」の場合、ニコチンに脳が支配され、日々の喜びや幸せに対する感受性をも鈍らせていると指摘する。朝日を浴びながらウオーキングやジョギングをしたり、レバーや魚の赤身といったビタミンB6を多く含む食物を食べたりすれば、脳の働きが正常化し、喫煙の欲求も抑えられる。

 多くの喫煙者が当てはまるという「習慣依存」に対しては、酒席に出ないことやたばこを販売している店に立ち寄らないことが大切とする。禁煙を始める前に、たばこを吸った時間や場所、誰からたばこを誘われたかなどを2週間ほど書き留めておき、その記録を見ながらリスクに遭遇しないように行動することも効果がある。

 もし1本吸ってしまったときは「次の1本は吸わない」と唱えれば、再チャレンジの意欲が湧くと強調する。

 「心理的依存」には、たばこに対する考え方を改めるよう求めている。たばこにはストレスを解消する作用がないことや、喫煙者は50代半ばから後半にかけて健康を損なうケースが多いことを説明している。

 川井医師はがん化学療法センター長も務め、1年間に約40人の肺がん患者をみとっている。「病気を治せずに、自分自身、何度も燃え尽きそうになった。一人でも多くの禁煙をサポートし、肺がんで亡くなる人を減らしたい」と話す。

 270ページ。1400円(税別)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年07月24日 更新)

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