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パーキンソン病は運動療法が有効 「老化」と思わず症状出れば受診を

神経内科部長
三原 雅史
1999年大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部付属病院、近畿大学医学部堺病院、大阪大学大学院神経内科学特任助教などを経て、2017年から川崎医科大学神経内科特任教授。専門は神経リハビリテーション、脳機能画像研究、神経変性疾患臨床。

 川崎医科大附属病院(倉敷市松島)神経内科の三原雅史部長(同大教授)に、手足の震えや体のこわばりが起こる難病・パーキンソン病の症状と治療について聞いた。

-パーキンソン病とはどのような病気か。

 徐々に進行する原因不明の神経変性疾患の一つ。分かりやすく言うと脳の細胞が自然に減ることよって発症する。アルツハイマー病は脳の記憶に関わる細胞が減少することで物忘れなどの症状が出るが、パーキンソン病は運動をつかさどる細胞が減ることで、体が動きにくくなったり、手足に震えが出るようになる。国の特定疾患(難病)の中でも2番目に多く、全国で16万人以上患者がいる。高齢になればなるほど増える病気で、高齢化社会を迎えた国では増えているのが現状だ。

-どんな症状が出るのか。

 ①何もしていないのに手足や顔に震えが出る「振戦」②筋肉が硬くなる「筋固縮」③動きが遅くなる「無動」④バランスが悪くなり、こけやすくなる「姿勢反射障害」-の4つの特徴的な症状がある。

-加齢によっても同じような症状が出ると思うが、見分ける方法は?

 パーキンソン病は脳の中にあるドーパミンを分泌する細胞が減少することで起こると言われている。健康な人でもドーパミンは20歳ごろをピークに減ってくるため、高齢になると同じような症状が出てくる。4つの代表的な症状が、年齢よりも早い段階で出た場合のほか、画像検査でドーパミンの量を確認するなど他の検査と組み合わせて診断している。単純に年齢によるものと考えず、「動きが遅くなった」「震えが出ている」などの症状が出た場合は、病院で検査をすることを勧めたい。

-どのような治療を行うのか。

 ドーパミンは、脳の回路をスムーズに動かす潤滑油の役割をしている。飲み薬が標準的な治療だが、効く時間が短いものもあるので、症状やライフサイクルに合わせて薬を調整している。このほか脳の回路を電気的に刺激する外科的治療も有効な場合がある。

-普段の生活で気を付けた方が良いことはあるのか。

 欧米の調査では、普段運動している人の方がパーキンソン病になりにくいという研究結果が出ている。パーキンソン病になった場合も運動やリハビリをすることで症状が改善するという報告が多数あり、薬で症状を改善して、動きやすい状態になったところで運動をしてもらうのが重要だ。ただ体のバランスが悪くなるので転倒などには気を付けてもらいたい。骨折などで寝たきりや車いす生活になると、筋肉が弱って余計に歩きにくくなる恐れがある。安全な方法で、しっかり運動量を確保してもらいたい。



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(2017年07月25日 更新)

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