文字 

美作地域に医療と観光で海外誘客 県民局がツアー商品化へ説明会

美作県民局が新たに取り組む「医療観光インバウンドツアー」モデル事業についての説明会

 岡山県美作県民局は、医療目的で来日する外国人を受け入れる「医療観光インバウンドツアー」の商品化に向けた取り組みをスタートさせた。訪日観光客が増える中、岡山県南に比べて極端に少ない管内への誘客とともに、観光PR、知名度アップを図るのが狙い。県内の旅行業者にツアーを企画してもらい、本格実施への足掛かりをつかむ。

 2016年度に県内で宿泊した外国人旅行者数は22万3084人(前年度比37・4%増)。過去最高を記録したものの、知名度不足や交通手段確保などの問題から「管内に足を運ぶ人はわずか」(同県民局)と、格差解消が課題となっている。

 そうした中、中四国初のがん陽子線治療センターを生かしたインバウンドの受け入れを進める津山中央病院(津山市川崎)の動きを捉え、管内医療機関で治療や健康診断を受けながら観光も楽しめるツアー開発を考えた。

 県内に営業所を置く旅行業者を対象に5業者程度を選び、来年2月末までにモデルツアーを実施してもらう。各業者には委託料として経費40万円を支払う。実績を今後のツアー開発の資料として活用し、18年度以降の本格的な商品販売を促す。

 同市内で18日に説明会があり、旅行業者8社の13人のほか、同病院と、インバウンドへの取り組みを計画中という石川病院(同)も出席。同県民局地域づくり推進課の桑村功士課長が概要を説明し、「海外で美作地域は知られていないので、観光客を呼び込む起爆剤としたい」と訴えた。

 続いて、国内で人間ドックツアーなどを手掛け、医療観光に詳しい「おかやま国際観光親善大使」の王正偉さん(32)=上海在住=が中国の医療環境について現状を報告。高医療費▽長い待ち時間と短い診断説明▽医師らの信頼性が低い―といった問題点を指摘し、「日本の医療技術は高い上、丁寧親切という印象も強いので、中国人にとって医療観光の重要な候補先となっている」と話した。

 出席した医療機関と旅行業者のマッチング商談会も実施した。

 事業への参加は8月18日までに申請書、9月15日までに企画提案書の提出が必要。資料は同県民局ホームページなどで手に入る。問い合わせは同課(0868―23―1259)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年07月29日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ