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腰部脊柱管狭窄症は低侵襲手術 プールや自転車こぎで体幹筋鍛え

副院長
長谷川 徹
1979年、川崎医科大学医学部卒業。85年、同大学大学院を修了。米国ウィスコンシン医科大、ドイツケルン大、英国オックスフォード大留学。川崎医大脊椎・災害整形外科学教授、川崎医大病院整形外科部長を経て、2017年から副院長。日本整形外科学会認定整形外科専門医・認定リウマチ医・認定脊椎脊髄病医・脊椎内視鏡下手術技術認定医、日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本手外科学会手外科専門医。

 川崎医科大附属病院(倉敷市松島)の副院長で脊椎・脊椎外科の長谷川徹部長(同大教授)に、腰痛の原因として重要な腰部脊柱管狭窄症の症状と予防、当院の整形外科の特長について聞いた。

―脊椎外科について

 脊椎外科の中でも低侵襲手術が専門。代表的なのは、内視鏡を使った手術だ。アメリカで開発され、日本では1997年に取り入れられ、今は日本が世界をリードしている。私も95年から導入、普及に努めている。認定医制度というものがあり、毎年厳しい試験を受けており、手術時の無修正のビデオを提出する。認定医は全国で140数名で、岡山県内は私含めて3人しかいない。

―低侵襲手術はどのような人が受けるのか。

 腰椎の椎間板ヘルニアおよび、脊柱管狭窄症が対象。高齢化社会を迎え、脊柱管狭窄症が非常に多い。男女でいえば女性が圧倒的に多い。70歳以上の、ほぼ70%が腰部脊柱管狭窄症というデータもある。

―どんな症状が出るのか。

代表的な症状は、間欠跛行(かんけつはこう)。歩いていると足がしびれてきたり、痛みがでる。立ち止まってうずくまったり、座って休むと症状が治まる。また立ち上がると症状がでる。

―ならないためにはどのようなことが必要か。

 筋力、特に背骨をとりまく大きな筋肉・体幹筋をきたえること。高齢者は、筋トレは難しい。条件さえ許せば、プールの中で歩いたり、ボードを持ってバタ足をするといった行為がお薦めだ。また、自転車こぎも腰に優しい運動。寝ながらできる腰椎体操もある。その人の運動能力、環境を考慮した指導が大切だ。若い人は、日々の運動と禁煙。腰椎関係の疼痛は脳で感じる。ニコチンが1本入ると、2割増しで痛みが脳に伝わるというデータがある。ぜひ禁煙を。

―当院の整形外科の特長は。

 整形外科は運動器、つまり全身が対象。従来のように1人の教授がすべてを管轄するのではなく、外傷系、人工関節、手外科、骨粗しょう症、総合医療センターのスポーツ外傷の5グループがチームとして対応している。大学病院で体系化しているのは珍しく、整形外科の考えられるすべての疾患に、世界トップレベルの知識と技術を提供できるのが自慢だ。もう一つは若手の教育。初期研修でアメリカの大学の整形外科で1カ月間、体験してもらうシステムを立ち上げている。グローバルな見識をもった整形外科医を育成するためだ。


※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年08月18日 更新)

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