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「ヘルプ」マークやカード導入 倉敷と総社市、障害者らに配慮を

倉敷市が配布しているヘルプカード。裏面(左)に障害の種類、必要な支援などを記入する

総社市が交付しているヘルプマーク

 見た目では生活の困難が分かりにくい障害者や妊婦らについて、援助や配慮が必要なことを知らせる「ヘルプマーク」や「ヘルプカード」を倉敷、総社市が相次いで導入している。当事者から活用を歓迎する声が上がる一方、マーク自体の認知度が低く、提示しても配慮してもらえなかったとの声もあり、市民への周知が課題だ。

 ヘルプマークは、赤地に白色の十字とハート形を記したデザイン。裏面に障害の種類や必要な支援などを記したシールを貼り、主に身に着けて使用する。2012年、東京都が人工股関節を入れている都議の提案で作った。

 東京都はマークのデザインを定め、基本サイズを縦8・5センチ、横5・3センチ、素材を樹脂製とするガイドラインを作ってホームページで公開するなど、普及を推進。全国の自治体で活用例が増えており、岡山県障害福祉課によると、県内では7月1日時点で5市2町が導入している。

 総社市は4月6日から、マークと、マークのデザインを印刷した紙製カード「ヘルプカード」(縦15センチ、横8・5センチ、三つ折り)の無料交付を市窓口で開始。8月21日時点で障害者や妊婦の計49人が受け取った。

 同市福祉課によると、交付を受けた人から「自身の状態を声に出して周囲に言えないので、助かる」との声が寄せられたという。

 倉敷市も7月10日から、市本庁と全7支所の窓口でマーク入りのヘルプカード(縦5・5センチ、横9センチ)の配布を始めた。

 一方、ヘルプマークは見た人がどのような対応を取るのかが問われるため、市民への周知が欠かせない。短文投稿サイト・ツイッターでは「マークをつけていても(電車などで)優先席を譲ってもらえない」などの声が上がっている。

 倉敷市は市窓口でヘルプマークに関する説明文を配布。県もポスターやパンフレットで周知を図っている。

 東京都は、ヘルプマークをつけている人を見かけた場合の望ましい対応をホームページで紹介。外見では健康に見えても、疲れやすかったり、同じ姿勢を保ったりするのが困難な人がいるため、電車、バスで席を譲るといった例を挙げている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年08月22日 更新)

タグ: 女性福祉お産

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