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食中毒問題で県内店舗が予防徹底 トング交換や洗浄・消毒で対応

総菜コーナーの陳列台を消毒するスーパーの従業員=岡山市

 埼玉、群馬両県の系列総菜店の客が腸管出血性大腸菌O157に感染し女児1人が死亡した集団食中毒を受け、岡山県内の総菜店やスーパーが予防対策に神経をとがらせている。トングなど器具の小まめな交換や消毒に努めており、県なども食品関連事業者に衛生管理の徹底を呼び掛けている。

 前橋市の総菜店のケースでは、トングの使い回しなどにより、店頭販売の段階で別の総菜や客から菌が付着した可能性が指摘されている。

 バイキング形式で総菜約70種類を販売するイオンモール岡山(岡山市)のスーパー・イオンスタイルは、トングやスプーンを品目ごとに置き、一定時間で交換。時間内でも汚れが目立てば随時取り換えており、「子どもらが誤って触れてしまうことも想定され、従業員が目配りしていく」(イオンリテール広報部)とする。

 赤磐市の総菜店は1時間以内にトングを交換し、洗浄・消毒している。それでも「包丁の傷が付くまな板などはどれだけ洗浄・消毒しても不安がある」と経営者男性。今回の集団感染が発覚して以降、カット野菜を利用するなど店内調理を可能な限り減らしているという。

 他の店でも「生食の総菜はバイキングで販売しない」(岡山市のスーパー)「午前中に作った総菜は午後3時に全部廃棄する」(倉敷市の総菜店)といった対応策がみられる。

 県は15日、県内の5保健所に、食品関連事業者に対してトングの衛生的な取り扱いや包装販売への変更を呼び掛けるよう通知。岡山、倉敷両市の保健所も「注意を促していく」とする。岡山市で総菜3店舗を経営する藤田和子社長(63)は「食中毒はいつどこで起きるか分からない。今の対策に満足せず、絶えず見直し、最善を尽くしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年09月17日 更新)

タグ: 医療・話題感染症

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