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リハビリ用ジーンズを共同開発 エナジーフロントと熊谷組

デザイン性と機能性を兼ね備えるリハビリ用ジーンズ

熊谷組が開発中の歩行支援器

 介護用衣料などを企画販売するベンチャー企業・エナジーフロント(岡山市南区内尾)は、福祉関連事業に力を入れる建設業の熊谷組(東京)と共同で、歩行支援器と組み合わせて使うリハビリ用ジーンズを開発した。おしゃれなシニア層をターゲットとし、デザイン性と機能性を兼ね備えている。倉敷市児島地区のメーカーに生産を委託し、ジーンズ産地発の福祉衣料として浸透を図る。

 ジーンズは、キャスター付きの歩行支援器とセットで使用する。腰の部分の金具を支援器のフックに掛け、歩行時の足への負荷を軽減する。従来は、ズボンの上から腰に装着するハーネスと呼ばれる道具を歩行支援器と組み合わせて使っていたが、新商品は普段着としても使えるのが特徴という。

 生産するのは、ジーンズメーカー・三野産業(倉敷市児島下の町)。濃紺の生地で裾にかけて細くなるデザインに仕上げ、ももの横の編みひもを締めてフィット感を調整する。通常のデニムとストレッチ素材を部分ごとに使い分け、耐久性と、はき心地を両立させた。

 価格は約3万円で、10月にも発売する。個人住宅での利用を想定しており、熊谷組のグループ会社を通じて福祉用品店などに売り込む。熊谷組はセットで利用できる歩行支援器(35万円前後)を来春にも売り出す。

 連携のきっかけは昨年10月、東京で開かれた福祉機器の見本市「国際福祉機器展」だった。エナジーフロントは介助しやすいよう腰の部分に持ち手を付けたジーンズを出展。福祉分野の商品開発に取り組んでいた熊谷組が協業を持ち掛けた。

 エナジーフロントは将来的に年間1千本の受注を目指し、27日から東京で開催される同展に出品する。上田剛慈代表は「団塊世代の高齢化が進む中、ファッション性の高いリハビリ用品のニーズは一層伸びる。協業を通じて多様な商品を提案したい」と話している。

 エナジーフロントは2012年12月設立、資本金1千万円。岡山県産のジーンズや帆布を使った介護用衣料・雑貨を手掛けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年09月26日 更新)

タグ: 介護医療・話題

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