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がん治療法BNCT研究で協定 岡山大と名古屋大、実用化へ加速

協定書に調印した槇野学長(右)と松尾学長

 岡山大と名古屋大は29日、将来のがん治療法と期待される「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の研究に関する協力協定を結んだ。研究の両輪となるホウ素薬剤と中性子の発生装置(加速器)の開発に連携して取り組むことで、実用化への動きを加速させたい考え。

 岡山市北区津島中の岡山大で調印式があり、両学長が署名した。岡山大の槇野博史学長は「双方が強みを生かし、共同研究を進めたい」、名古屋大の松尾清一学長は「世界に誇る画期的、革新的な治療技術になると期待する」と述べた。

 BNCTはがん細胞にホウ素を取り込ませた後、放射線の一つ、中性子線を照射。がん細胞の内部で核分裂を起こさせ、がん組織を破壊する。正常細胞へのダメージが少ないなどの利点がある。

 岡山大は2006年からホウ素薬剤の研究を始め、4月には学内に中性子医療研究センターを設けた。名古屋大は12年から加速器の研究を進め、15年からは岡山大と協力関係にある。両大は18年度中にも細胞レベルの共同実験を行い、技術を試したいとしている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年09月29日 更新)

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