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難聴の遺伝子診断を開始 岡山大病院耳鼻咽喉科 信州大データベース活用

 岡山大病院耳鼻咽喉(いんこう)科は、信州大医学部の「難聴遺伝子データベース」から難聴を引き起こす遺伝子の変異を特定し、早期発見などに役立てる「遺伝子診断」に乗り出した。

 先天性難聴は、新生児千人に一人という頻度の高い疾患で、聴覚にかかわる遺伝子の変異で発症するケースが多い。このため、約百種類とされる変異のパターンが分かれば、難聴の形態や進行具合を把握でき、正確な診断につながる。

 データベースは信州大医学部が二〇〇五年に構築。最も高い頻度で見つかり、中等度から高度の難聴を引き起こすGJB2遺伝子の変異など、送られてきた患者の血液を基に四十七種を検索できる。

 変異したGJB2遺伝子を持つ場合は、人工内耳を付けて早期に療育を始めれば、言語習得に大きな効果があるとされ、岡山大病院は結果を基に、個々の種類に応じた治療、カウンセリングを行う。データベースは全国で二十七病院が利用する。

 同病院の西崎和則教授は「両親に聴覚障害がない場合、子どもの難聴を見つけるのが遅れることも多い。新生児に行う自治体の聴覚検査事業と、遺伝子診断の双方を機能させることで、確実な早期発見につなげたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年04月08日 更新)

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