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「臓器移植」で救急医の役割重要 岡山で講演、提供の仕組みも説明

救急医の役割について話す中尾センター長

 臓器移植普及推進月間(10月)に合わせた岡山県臓器バンク、岡山県主催の「いのちのリレーを考える講演会」が15日、岡山市内であり、岡山大病院高度救命救急センターの中尾篤典センター長(救急医学教授)が、臓器移植を巡る救急医の役割の重要性を訴えた。

 中尾センター長は「脳死ドナーを提供する立場から」と題して講演した。救急医について「患者を全力で救命するのが最大の使命だが、臓器提供という最後の選択肢の一つを家族らに伝える役割も担っている」と指摘。一方で緊急性が低い“コンビニ受診”などで疲弊している上、担い手自体も不足している―として「移植医療を進めるには、救急システム全体の見直しが必要だ」と強調した。

 県臓器バンクの安田和広コーディネーターによる脳死判定から臓器提供に至る仕組みの説明もあり、市民ら約60人が聴いた。JR岡山駅では臓器提供意思表示カードを配る啓発活動を行った。

 脳死臓器移植を可能とする臓器移植法は1997年10月16日に施行された。県内の脳死移植は9月末時点で132例を数えるが、ドナー(臓器提供者)不足のほか、提供病院の体制整備の遅れなどが課題となっている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年10月15日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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