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顔のあざ、傷 化粧でカバー 岡山で医師、看護師ら対象に研修会 

専用のファンデーションをたたくように塗ると、ペンで描いた赤色のあざが

目立たなくなる

あざや傷跡を隠す化粧品を試す看護師ら

 顔のあざ、傷を目立たなくするファンデーションや下地の開発が進んでいる。普通の化粧品では隠せない肌の変色などは、その人にとって深い悩みとなることがある。資生堂(東京都)が医師や看護師を対象に岡山市で開いた、メーキャップ研修会をのぞいてみた。

 研修会は、顔のあざや傷に悩む患者に、化粧を使った補正を指導している三宅医院(岡山市大福)であり、医師、看護師ら十人が参加。講師は同社の専門指導員が務めた。

 参加者は、「血管腫」と言われる赤いあざに似せ、顔や手の甲に赤ペンで丸く色を塗った。血管腫とは、皮膚の毛細血管が異常に多くなることで起こるあざ。赤みを補正する専用ファンデーションをたたくようになじませると、肌に浮くように見えていた真っ赤な色が次第に薄くなっていった。やがて、ぱっと見では気が付かないほど自然に仕上がった。

 あざをカバーする同社のファンデーションは、補色同士を混ぜると色が消えるという光の特性を利用しているという。青あざには、青の補色の黄色の光を通すファンデーションを赤あざは赤の補色の緑の光を通すファンデーションを使うことで、青みと赤みを目立たなくできるようだ。

 同社の推計では、あざなど肌の変色に悩む人は、全国に約三百三十万人。やけどや交通事故などで顔に傷を負った人も含めると、さらに多くが肌の悩みを抱えている。同医院の形成外科にも、顔のあざや傷の治療で毎日数人が訪れるという。

 あざとは別に、やけど、傷跡には肌の凹凸をカバーする下地とファンデーションが有効だ。密着性が高く、くぼんだ部分に埋め込むように塗ると、肌が平らで滑らかになる。同院の看護師谷口佳子さん(32)は「普通のファンデーションよりもカバー力が高いのに、伸びがよく軽い」と使い心地に驚く。

 「顔の悩みは深刻だが、治療しても完全には消せない症例がある」と同院の牟禮理加形成外科部長。「自分に自信を持ち積極的に外出するようになるなど、メーキャップには大きな効果がある。今後も治療と合わせて提案したい」と話す。

 今回は同社の新商品を中心に使用法を学んだが、同様の効果がある化粧品は他社からも販売されている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年04月19日 更新)

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