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備北地域に初の女性救急救命士 木曽田さん、特定医療行為可能に

救急車内の器具を整理する木曽田さん。「いつもイメージトレーニングを欠かさない」と仕事に向き合っている

 高梁、新見市の備北地域初となる女性救急救命士として、新見市消防本部の木曽田歩美さん(27)が本格的な活動を始めた。救命士のデビューは6月下旬だが、10月中旬から患者搬送時に医師の指示の下で可能な特定の医療行為が8項目全てできるようになった。「冷静、迅速、的確に対応し一つでも多くの命を守りたい」と意欲を燃やしている。

 木曽田さんは2010年4月、市消防本部入りした。119番通報を受ける通信指令室などでの業務を経て、12年1月から救急隊員として活動。16年9月から半年間、北九州市の救命士養成所で基本医学や処置技術を学び、3月に国家試験にパスした。

 合格後に義務付けられた病院実習や研修をこなしながら、救急医療の関係機関でつくる県メディカルコントロール協議会(岡山市)から点滴やアドレナリンの投与といった特定行為の認可を順次取得。10月17日に最後に残っていた気管内挿管の認可を受けた。

 6月以降、約20件の救急出動に対応している。いずれも特定行為が必要な事案ではなかったが、全項目に対応できるようになり「努力を重ねて、胸を張って対処できるようになりたい」と話す。

 新見市消防本部は17年度、女性隊員1人を救命士養成所に送り出している。木曽田さんは「自分の活動を通して、救命士が女性活躍の場の一つとして備北の地でも広まれば」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年11月03日 更新)

タグ: 医療・話題

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