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予防ファースト 生活習慣病 岡山西大寺病院が市民公開講座

小林直哉氏

井久保卯氏

時岡裕真氏

三好新一郎氏

藤本伸一氏

星島百合氏

 岡山西大寺病院(岡山市東区金岡東町)は10月7日、市民公開講座「予防ファースト 生活習慣病!」を西大寺緑花公園・百花プラザ(同西大寺南)で開いた。テーマは、医療・介護保険の制度維持の面からも注目される「健康寿命」を延ばすことと、がん死亡者の中でも 男性のトップ、女性でも2位になっている肺がんを どう予防し、早期治療につなげるか。同病院とともに、連携する岡山労災病院(同市南区築港緑町)からも医療スタッフが登壇し、講演した。

健康寿命の延伸

 「健康寿命」は介護を受けたり寝たきりになったりせず、日常生活に制限のない人生の期間を指す。岡山県では2013年現在、男性71・1歳、女性73・8歳と推定されており、小林直哉理事長は「平均寿命はどんどん延びているが、健康寿命はそれよりも10年程度短い」と指摘した。

 健康な状態で長寿を実現するための秘けつとしては、適度に体を動かす▽3食きちんと食べる▽心のストレスをためない▽五感を刺激する▽生きがいを持つ―という五つを挙げ、「ポイントは最後の生きがい。ぜひ自分らしいものを見つけてほしい」と話した。

 井久保卯副院長は、健康寿命を縮めるメタボリック症候群を取り上げた。腸管などの内臓の周りに脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満で、脂質異常や高血圧、高血糖を伴うメタボは「皮下脂肪型肥満よりも動脈硬化が起きやすく、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まる」と強調。「主な原因である食べ過ぎと運動不足を改善すれば、メタボは解消できる」と、生活習慣を見直すよう呼び掛けた。

 理学療法士の時岡裕真さんは、立ったり歩いたりする機能が低下する「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」を、日常生活でチェックする項目を紹介した。片脚立ちで靴下が履けない▽家の中でつまずいたり滑ったりする▽階段を上るのに手すりが必要▽横断歩道を青信号で渡りきれない▽15分くらい続けて歩けない▽2キロ程度の買い物をして持ち帰るのが困難▽家のやや重い仕事が困難―のうち、一つでも当てはまればロコモの疑いがある。手軽にできるロコモ予防の体操も披露した。

連携の岡山労災病院 肺がんの予防・治療

 肺がんの主要な原因とされる喫煙について、三好新一郎院長は健康に及ぼす危険度を示す指数を示した。「1日の喫煙本数」と「喫煙年数」を掛け合わせた数値が400を超えると肺がんの「危険群」、600を超えると「高度危険群」になると指摘し、できるだけ早く禁煙に取り組むよう訴えた。肺がん手術の様子を撮影した動画も放映した。

 藤本伸一腫瘍内科部長兼第二呼吸器内科部長は、肺がんの病期別に化学療法や手術といった治療法を解説。「咳(せき)や血痰(けったん)、胸痛、息切れなどの症状が出てから受診しても、既に病期が進んでいて治療法が限られるケースが少なくない。早期発見・治療のためにも、定期的に健診(検診)を受けることが大切」と強調した。

 保健師の星島百合さんは、たばこを吸わない人にも危険を及ぼす受動喫煙について注意を促した。「火のついたたばこの先から出る副流煙は、喫煙者が吸い込む主流煙よりもニコチンは2・8倍、タールは3・4倍多い」「煙が消えた後も壁やカーテンなどに染みこんだ有害物質が揮発し、健康被害を招くとされるサードハンド・スモーク(三次喫煙)がある」と戒めた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年11月06日 更新)

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