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美作地域に医療観光で外国人誘致 県民局が専門家招きモデルツアー

患者を治療する陽子線照射室で説明を受けるツアー参加者(左側)

 医療目的で訪れる外国人を呼び込もうと、岡山県美作県民局が本年度に取り組む「医療観光インバウンド」事業のモデルツアーが7日、始まった。三つ予定するツアーの第1弾で、今回は中国の医療や旅行事情に詳しい専門家3人を招待。9日までの3日間で、津山市などの観光スポットや医療機関を案内し、情報発信に協力してもらう。

 ツアープランは、同県民局から委託を受けたJTB中国四国岡山支店(岡山市)が組んだ。招待したのは、日中間での旅行やイベントを企画するコンサルティング会社経営の王忠さん(56)=北京市、医療ツーリズムに関するコンサルティング会社を経営する張亜東さん(38)=成都市、中国ビジネスアドバイザーの難波哲明さん(66)=倉敷市。7日から蒜山高原(真庭市)、奥津渓(鏡野町)、津山城跡(津山市)などの観光地を巡っている。

 同日夜は津山中央病院(川崎)の「がん陽子線治療センター」を訪問。職員から陽子線治療について、ピンポイントでがん細胞を破壊するため従来の放射線より副作用が少なく、通院で治療が可能といった説明を受け、照射室などを巡った。3人は「費用の見積もりは治療前に出るのか」「1日に受け入れられる外国人の数は」などと質問していた。

 張さん、王さんは「設備が整っている津山中央病院は中国人にとって需要は高く、観光地も素晴らしい。あとは旅行先として選んでもらうため、他地域との違いを打ち出す必要がある」と話した。

 事業は、美作地域の医療機関での治療・健診と観光を組み合わせた旅行商品の企画を促すことが狙い。同県民局は3社に事業委託しており、残り二つは12月と来年1月に予定している。終了後、ツアーの内容や参加者の意見を参考に年度内にモデルコースなどを示した資料をまとめ、旅行業者らに提供してツアーの商品化に生かしてもらう。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年11月08日 更新)

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