文字 

岡山県が女性医師復職倍増へ素案 保健医療計画で99の数値目標

 岡山県は27日、2018年度から23年度までの保健・医療施策の指針となる第8次県保健医療計画の素案をまとめた。県内五つの二次保健医療圏域(県南東部、県南西部、高梁新見、真庭、津山英田)は従来通りに維持。過疎地をはじめ医療現場のマンパワーを確保するため、女性医師の復職者を現状より倍増させ、医学部の地域枠卒業生を人員不足地域で大幅増員するなど99項目の数値目標を設定し、「看取(みと)り」の在り方も新たに示した。

 国の指針では3圏域(高梁新見、真庭、津山英田)が再編の検討対象だが、広域化で病床の偏在が拡大する懸念があるなどの理由で見直しを見送った。

 素案では、医療提供体制の課題として、県北で50歳以上の医師や看護職らの割合が県南に比べて高いなど医療従事者の地域偏在や年齢構成のばらつきを指摘。岡山大医学部などの地域枠を活用して医師不足地域で働く人材(現在2人)は25人、出産・育児などで休職した女性医師の復職者(同110人)を222人とし、看護職の離職率抑制やスキルアップの数値目標も盛り込んだ。

 地域ごとに病床の機能分化と連携を進め、慢性期医療は在宅医療や介護サービスと一体的に推進することなどを明記。県民が自分らしい最期を迎えるため、本人、家族、医師らが治療や介護方針をあらかじめ話し合う「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」の普及促進を初めて記載した。

 病院・診療所の基準病床数(療養、一般病床)は5圏域で現行の計2万1816床より19・2%減の計1万7635床と設定。引き続き、全域で増床や病院の新設は認められない。

 保健医療計画は医療法に基づき、県が策定。岡山市内で27日、策定協議会(会長・石川紘県医師会長、31人)の会合があり、素案を了承した。近く公表し、県民意見を聞き、来年3月に正式決定する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年11月28日 更新)

タグ: 医療・話題

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ