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乳がん勉強会 主治医選び役立てて 岡山赤十字病院辻院長 20年続ける

勉強会の会場に立つ辻院長。雑談形式で患者らの質問を受け付ける

 フリーアナウンサー小林麻央さんの死去で今年、社会の関心が高まった乳がん。治療法の選択肢が多い上、手術後の経過観察も長く、どんな主治医と出会うかで闘病の質が左右される。病気に関する知識を深め、納得できる主治医選びにつなげてもらおうと、岡山赤十字病院(岡山市北区青江)の辻尚志院長は、誰でも参加できる勉強会を20年近く院内で続けている。次回は9日に開く。

 手術と薬物療法、放射線治療がある乳がんの治療法は、がんのタイプや病期(ステージ)、年齢などに応じて千差万別。薬物もホルモン剤、抗がん剤、がん細胞の特定分子を狙い撃ちする分子標的薬などを使い分ける。

 患者は、さまざまな治療法から何が最適かを見定め、手術後も長い経過観察が必要となるため、主治医と良好な関係を築けるかは大きな問題だ。「知識を持てばより具体的に医師とやりとりでき、相性の良い主治医を見つけやすくなる。出会えるまで遠慮無く医療機関を変えたらいい」と辻院長。

 勉強会は会議室を利用して3カ月に1回、3時間ほど開いており、これまで約70回を重ねた。1回につき患者や家族ら30人前後が参加している。「隅っこで黙って聞いているだけでもOK」をモットーに、お茶を飲みながら雑談形式で、辻院長が、治療法の選択や不安などいろいろな質問を受け付け、基本的な事柄から分かりやすく説明する。

 参加者同士で交流する時間もあり、仲間づくりの場にもなっている。9日の勉強会は午後2時~5時。無料。問い合わせは、岡山赤十字病院外科外来受付(086―222―8811、平日のみ)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年12月02日 更新)

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