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看護職8割がミス・ニアミス経験 県医労連調査、慢性的な人手不足

 岡山県医療労働組合連合会は、加盟する病院・診療所の看護職員を対象に行った労働実態調査の結果をまとめた。82・0%が「この3年間にミス・ニアミスをしたことがある」、50・7%が「患者への十分な看護の提供ができていない」と答え、人手不足による仕事量の増加などを要因に挙げた。連合会は「患者の安全確保のため、労働環境の改善と人材確保が急務だ」としている。

 調査は5月に行い、21施設の10~60代の男女762人が答えた。1年前と比べた仕事量について計56・0%が「大幅に増えた」「若干増えた」とし、78・2%が調査直前の4月に残業をしていた。疲れ具合については「翌日にも残ることが多い」が48・3%、「休日でも回復せず、いつも疲れている」が18・6%。仕事上のストレスは55・9%が「ある」とし、要因は「仕事の量の問題」が48・0%で最多だった。

 ミス・ニアミスをした理由として79・3%が「慢性的な人手不足による医療現場の忙しさ」を挙げた。看護の十分な提供ができていない理由(複数回答)は「業務が過密」(80・8%)、「看護以外の業務が多すぎる」(33・9%)などだった。

 「仕事を辞めたいか」との問いには「いつも思う」「ときどき思う」が計69・5%に上った。

 連合会の森本忠春書記長は「調査は現場の“綱渡り”の状況をあらためて浮き彫りにした。過重労働による疲弊から、売り手市場の他職種に転職する動きも多く見られ、悪循環を断ち切らなければならない」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年12月27日 更新)

タグ: 医療・話題

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