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20―24歳、妊娠時多い喫煙 福山・府中地域 保健対策協調査 禁煙指導の強化を訴え

妊娠判明時の禁煙率(グラフ)

 福山・府中地域では、二十代前半の母親の妊娠判明時の喫煙が六割に迫るなど、妊婦を含めて喫煙率が同年代の女性と比べて高いことが、同地域保健対策協議会が福山、府中市、神石高原町の医療機関で行った喫煙調査で明らかになった。喫煙する母親や妊婦の過半数が中学、高校で吸い始めており、禁煙外来も担当する沼隈病院の平林光司院長(産婦人科)は「驚くべき結果。たばこを経験する前の小学生に対する禁煙指導を強化すべきだ」と訴える。

 二十―二十四歳の母親と妊婦から、いずれも妊娠判明時の喫煙の有無を聞いたところ、母親の56・3%、妊婦の38・0%が喫煙していた。

 二十五―二十九歳は母親22・0%、妊婦18・9%で、年齢が上がるにつれて減少傾向だが、全国の二十代女性の喫煙率18・9%(二〇〇五年の厚生労働省国民健康栄養調査)と比べ、二十代前半は二倍超、後半がほぼ同じだった。

 妊娠判明時に喫煙していた母親の60・3%、妊婦の60・2%が二十歳未満で吸い始め、過半数は十三歳から十八歳と答えた。

 早産や低体重児の割合は、喫煙の母親が非喫煙の約二倍。吸う本数による違いは見られなかった。

 妊娠判明時から妊娠中の喫煙率の変化では、妊婦が19・6%から6・7%へと低下。母親も18・6%から6・5%と同様の傾向を示したが、出産後は12・6%と再び上がった。父親は、妊娠判明時から育児期間にかけて減少したものの、50%台を下回らなかった。

 また、喫煙する母親・妊婦の過半数に禁煙経験があり、きっかけでは「妊娠・出産」時が最多。一方、夫ら周囲に喫煙者がいるケースが多く、禁煙のために「家族の理解と支援」「医療機関での支援」などを求める意見が多かった。

 結果をまとめた国立病院機構福山医療センターの池田政憲小児科系部長は「妊娠時を禁煙のチャンスととらえ、夫を含めた働き掛けとともに、未成年への対策にも力を入れたい」と話している。

ズーム

 妊婦等喫煙実態調査 2007年9―11月、福山、府中市、神石高原町の医療機関などで、妊婦健診や1歳6カ月健診に合わせて実施。妊婦2134人、育児中の母親555人、父親526人が回答。全体の回収率は82・9%。平均年齢は妊婦29・6歳、母親31・1歳、父親32・8歳。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年06月20日 更新)

タグ: 健康女性お産

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