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(1)医療・介護・福祉連携~切れ目のないサービスを目指して~ 瀬戸ライフサポートセンター副センター長 森永敏行

海に面した瀬戸ライフサポートセンター。右側の笠岡第一病院と廊下で直結している

森永敏行副センター長

 障害があったり、年を重ねて今までの生活が困難になったりしても、住み慣れた地域で暮らし続けたいと願う人の思いに応えていくためのシステムが地域包括ケアです。これを実現するためには、医療・介護・福祉の連携が必要です。

 わが国は少子高齢化が急速に進んでいます。「瀬戸ライフサポートセンター」のある笠岡市でも人口減少が進み、高齢化率が高まり、認知症の方も増えています。団塊の世代が後期高齢者となる2025年までに、住み慣れた地域で、高齢者や障害のある生活弱者を支えるシステムづくりが求められています。

 「瀬戸ライフサポートセンター」は、私たちが構想を温めてきた地域包括ケアシステムを具体的に実践する場として、16年10月に開設しました。

 耐震構造鉄筋コンクリート5階建て延べ約8660平方メートルで、4階には介護老人福祉施設が入っています。特別養護老人ホーム瀬戸内荘(30床)、ユニット型・地域密着型特別養護老人ホーム海(20床)があり、ショートステイ(16床)も備えています。

 3階には、介護老人保健施設瀬戸いこい苑(70床)があります。ショートステイも専用個室2床を設けています。2階は、通所の方を対象とした瀬戸いこい苑デイケアと瀬戸内荘デイサービスセンターがあります。訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所もあります。

 地域包括ケア施設としての当センター最大の特色は、内科、整形外科、小児科など27の診療科を持つ笠岡第一病院(148床)とつながっていることです。医療法人と社会福祉法人が一体となって複合施設を整備したことで、医療と介護の切れ目なく連携して、より専門性の高いサービスを提供することを目指します。

 笠岡第一病院は当センター利用者の日ごろの診療はもちろん、24時間体制で緊急時にも対応します。一方、病院の外来・入院患者さんに対しては、医師の指示に基づいて当センターでリハビリを受けていただいたり、退院後に直接自宅に戻れない場合、センターの施設に一時入所して、生活面でのリハビリを受けていただいたりと、適切でトータルな医療・介護サービスを提供します。

 また、地域包括ケアでは、それぞれの専門職が顔の見える関係になるよう、ネットワークの構築が重要です。当センターは「ケアマネサロン」を設けており、ケアマネジャーを中心として、地域の専門職の方々が定期的に情報交換会を行っています。顔の見える関係になれば、互いの専門性や得意分野が分かり、スムーズに連携できるでしょう。

 地域外の急性期病院で治療を受けても、病状が落ち着けば住み慣れた地域に戻り、かかりつけ医の診療を受けながら生活するのを支えるのが、地域包括ケアシステムです。顔見知りの医療・介護・福祉の専門職から援助を受けることになれば、いっそう安心して暮らし続けることができます。

 住み慣れた地域で必要な支援を受け、その人らしく暮らせるように、私たちは、高齢の方にも、障害のある方にも、これからの社会を支える子どもたちにも、トータルで寄り添うことができる地域の基幹センターとして、成長し続けていきたいと思います。

     ◇

 瀬戸ライフサポートセンター=特別養護老人ホーム瀬戸内荘(0865―67―3100)、介護老人保健施設瀬戸いこい苑(0865―67―0770)

 もりなが・としゆき 岡山関西高校、岡山商科大学経営学部商学科卒。岡山中央病院、倉敷紀念病院などを経て、2009年より笠岡第一病院法人事務局勤務、17年より現職。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年01月15日 更新)

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