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病院閲覧タブレット全救急車配備へ 急患受け入れで岡山市消防局

市消防局が救急患者の受け入れ可能な医療機関を閲覧できるタブレット端末の配備を計画している救急車=西消防署

 岡山市消防局は、救急患者の受け入れが可能な医療機関をリアルタイムで閲覧できるタブレット端末を全ての救急車に配備する方針を固め、18日発表の2018年度当初予算要求に関連経費を盛り込んだ。現場の迅速な対応につなげて搬送時間を縮め、救命率アップを目指す。

 計画では、医療機関ごとに「重症者の対応が可能」「条件次第で受け入れる」など救急対応に関する情報を集約した県の「救急医療情報システム」を活用。救急隊員が出動先で患者の症状を踏まえて対応できる医療機関をシステムと接続したタブレットで探し、現場から直接、電話確認して搬送する仕組み。

 同局では、西消防署(北区野殿西町)の中にある消防情報通信センターが同システムと接続。現在、患者の搬送先は、救急隊員が現場から同センターに連絡し、センター職員が対応可能な医療機関をシステムで探して電話確認した上で、隊員に伝えている。タブレット導入で一連の作業が省け、救急要請から搬送先に到着するまでの時間を2~3分程度、短縮できるという。

 タブレットは、同局が所有する救急車両の台数と同じ26台を導入予定。併せて、タブレットを利用すると出動記録が作成できるように市の消防指令システムを改修する予定で、2474万円を要求している。

 同局は、県が16年10月にタブレットなど外部端末から接続できるよう情報システムを改良したことや、出動件数の増加で1件当たりの搬送時間が平均34・8分(16年)と5年間で2分余り延びていることなどを踏まえ、導入が必要と判断した。

 同局救急課は「タブレットなら患者の様子を写真で医療機関に送ることもできる。けがや病気の詳しい状況の伝達や、医師の指示による現場処置の高度化にもつなげたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年01月19日 更新)

タグ: 医療・話題

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