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児島市民病院が2年ぶりに赤字 16年度決算、新病院で経費増

 倉敷市は、市立児島市民病院(同市児島駅前)の2016年度決算をまとめた。4月に予定する「市立市民病院」に改称しての開院に向け、職員採用を進めたことや医療機器購入に伴う減価償却費が増えたことなどで、2年ぶりの赤字となった。

 総収益は前年度比1・9%増の25億4758万円。これに対して総費用は同16・1%増の28億4115万円で、赤字額は2億9357万円。累積赤字は24億6274万円に膨らんだ。

 入院、外来など医業収益は同1・4%増の23億4616万円。1年間の延べ患者数は、外来が同0・5%増の10万15人、入院が同0・4%増の4万9927人。病床利用率は同0・5%増の69・1%とわずかに増えた。

 一方、人件費や薬品代などの医業費用は同8・5%増の25億4797万円。新病院開院を見越し、医師や看護師などの採用を進めたことで給与費が同11・7%増の16億8861万円。15年度の医療情報システム導入に伴い、減価償却費が同41・6%増の1億7283万円となり、経費増につながった。

 17年度から20年度の収支目標はいずれも赤字。新病院開院による投資増により、赤字額は年2億6150万(19年度)~7億3490万円(18年度)に上る。4月の新病院開院後も「単年度収支の黒字転換は8、9年後の見込み」(同院)という。

 16年度決算は、改革プラン評価委員会(委員長・佐藤豊信岡山商科大大学院教授、7人)に報告した。同病院は「病床稼働率を8、9割に高めることで、収益に占める人件費の割合を抑えるなど経営改善に努めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年01月25日 更新)

タグ: 医療・話題

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