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アスカが福祉輸送サービス開始 看護師運転、患者転院などに対応

アスカが導入した福祉車両。看護師資格を持つ前田さんが、入院患者らをストレッチャーや車椅子に乗せて送迎する

 運送業のアスカ(岡山市北区足守)は“看護タクシー”と称する福祉輸送サービスを始めた。看護師の資格を持つ運転手が、酸素ボンベやAED(自動体外式除細動器)などを備えた福祉車両で、入院患者の転院などに対応している。

 道路運送法では介護タクシーに当たる。中国運輸局岡山運輸支局によると、看護師資格を持つ業者は中国地方では珍しいという。

 運転する前田訓宏さん(39)は、アスカの前田吉弘社長の弟で、看護師として岡山、鳥取、島根県の病院で17年勤務した経験がある。車両は電動リフト付きのワゴン車で、通常は訓宏さん1人が乗務。希望に応じて2人体制で送迎する。

 入院施設の職員の協力も得て、ストレッチャーや車椅子の患者を車両に乗せる。必要に応じて停車し、入院施設の医師の指示の下、たんの吸引や酸素吸入といった処置を施す。患者の家族らも最大6人同乗できる。

 「岡山とんぼケアサービス」の名称で、昨年10月から原則、平日の日中に営業している。料金は乗降時の介助を含め、車椅子が30分以内3千円、ストレッチャーが60分以内7500円など。転院したり、別の病院で定期受診したりする入院患者らを送迎しており、利用者から「看護師なので安心」と評価を得ているという。

 看護タクシーは、訓宏さんが病院勤務時代、「移動中の車内で容態が急変しないか不安」という患者家族の声を聞いて発案した。アスカを経営する親族から「人手不足の会社を手伝えないか」と頼まれたこともあり、昨春病院を退職。大型免許を取得し、トラック輸送に当たりつつ準備を進めてきた。現在は看護タクシーにほぼ専従している。

 前田訓宏さんは「患者や要介護者の家族旅行などのニーズに応え、思い出づくりの手助けもしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年02月15日 更新)

タグ: 福祉

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