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長期入院・療養児の学習支援議論 岡山大で医療関係者ら参加しシンポ

長期療養の子どもたちに対する学習支援の在り方を話し合ったシンポジウム

 病気で長期入院や自宅療養をしている子どもたちの学習支援を議論する「病気の子どもたちの未来を考えるシンポジウム」が25日、岡山市北区鹿田町の岡山大Jホールで開かれた。

 病弱児の学習支援に取り組むNPO法人ポケットサポート(岡山市北区奥田本町)と同大大学院保健学研究科が主催。医療、行政、教育関係者、病弱児の保護者ら約200人が参加した。

 病弱児の実態を全国調査した丹羽登関西学院大教授が基調講演し、長期入院の児童生徒の約4割は学習指導を受けていない現状を報告した。近年、入退院を繰り返す子どもが増えていることに触れ「退院イコール完治ではない。教員が『元気になってから学校においで』と言うのでは、教育を受ける機会がなくなってしまう」と学校側の対応を求めた。

 丹羽教授、小田慈岡山大名誉教授(小児科学)、岡山県教委特別支援教育課の清岡憲二総括副参事ら6人による討議では、医療と教育がどう連携するかがテーマになった。

 白血病などの子どもを持つ親でつくる「あゆみの会」の青山由香里代表は、長男が長期入院した際に在籍小学校で疎外感を覚えたが「復学の数カ月前から学校と連絡を取り、学年集会などで息子の病気のことを理解してもらい、不安がなくなった」と経験を語った。

 小田名誉教授は「病院と学校が連携するためのキーパーソンは親だ」と応じ、清岡総括副参事は「誰に相談すればよいか困ったときには、われわれが窓口になる」と県教委への連絡を呼び掛けた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年02月26日 更新)

タグ: 子供岡山大学病院

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