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水島中央病院が地域タクシー運行 通院や買い物の「生活の足」に

水島中央病院が運行を始めたコミュニティータクシー

 水島中央病院(倉敷市水島青葉町)は2日、病院から半径5キロ圏内の公共交通網が整っていない区域でコミュニティータクシーの運行を始めた。高齢化の進展と、将来マイカーでの移動が難しくなることを不安視する患者らの声を受けて導入。通院や買い物などの際に“生活の足”として利用してもらう。市によると、同市内で医療機関が運行主体になったコミュニティータクシーは初めて。

 「中畝」「東塚」「連島」の各エリアと病院のある同市水島地区中心部を往来する計3コース。公民館、スーパー、郵便局など7~14カ所に停留所を設け、運行事業者の平和タクシー(岡山市)が5人乗り(運転手含む)の専用車で巡る。相乗りが基本で完全予約制。定員を超える場合は増車して対応する。

 いずれのコースも1日3往復運行。発車時刻は各エリアから病院方面への「行き」が午前8時、同9時、午後1時半、「帰り」が午前10時半、午後0時半、同3時半。希望する便の発車1時間前までに同タクシー(086―425―6181)へ氏名や連絡先、乗降場所などを伝える。

 料金は走行距離に関係なく一律で、大人が300円(中畝、東塚コース)と400円(連島コース)、高校生~6歳200円、6歳未満は無料。日曜・祝日、12月30日~1月3日は運休する。

 病院によると、昨年6月に来院者1732人に行ったアンケートで約8割が「地域に公共交通機関が必要」と回答。同タクシーの導入は、高齢者の移動手段が確保でき、指定場所に来ない―といった状況から「異変」を察知する見守りにもつながるとして、準備を進めてきた。

 運行初日にタクシーで病院を訪れた倉敷市の女性(77)は「2年前に運転免許証を返納して以来、移動に不便さを感じていた。価格も手頃で本当にありがたい」と話していた。病院は「ぜひ多くの方に気軽に利用してもらいたい」と呼び掛けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年04月02日 更新)

タグ: 医療・話題

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