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高梁市がベテラン2医師に感謝状 へき地医療貢献の池田、吉岡さん

有漢診療所の勤務を振り返る吉岡さん(左)と松原診療所長を務めた池田さん

 高梁市は3月末までの40年以上にわたって市内のへき地診療所で業務に携わったベテラン医師2人に感謝状を贈った。松原診療所(松原町春木)の池田元子さん(89)=同市=と、有漢診療所(有漢町有漢)の吉岡章さん(78)=福山市。2人は「経験を生かして今後も地域医療を支えたい」と衰え知らずの意欲を見せている。

 池田さんは、1957年に高梁市中間町に開業した池田医院で診療する傍ら、市の依頼で78年から松原診療所長に就任した。「訪れる皆さんがとても気さくで親切だった。診療所に行くのを毎回楽しみにしていた」と言う。

 津山市の病院に勤務していた吉岡さんは旧有漢町の要請で、76年から前身の町立診療所の初代所長として診療に当たった。「最初のうちは無我夢中だった。有漢の住民にかわいがってもらい、あっという間だった」と振り返る。

 松原診療所は人口減などで年々、利用者が減少(2016年度延べ54人)していく中、市が3月末での廃止を決定した。吉岡さんは有漢診療所を同月末で勇退。4月からは長男が福山市に開設した在宅医療専門診療所の運営に協力している。

 2人が長年にわたる献身的な診療で住民の健康を支えたとして3月末、近藤隆則高梁市長が感謝状を贈呈した。「年齢を重ねても医師をやめようと思わない。まだまだ現役で頑張る」と池田さん。吉岡さんは「体が動く限りは、恩返しのつもりで働かせてもらう」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年04月08日 更新)

タグ: 医療・話題

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