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ホルモン療法も保険適用対象に 性同一性障害、改善求め学会声明

 心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)の人に対する性別適合手術が公的医療保険の適用対象となったものの、ホルモン療法が保険外になっている現状の改善を求め、GID学会(理事長・中塚幹也岡山大教授)は14日、声明を発表した。手術を受けるためにホルモン療法の中断を考える当事者がいるとして、健康面への影響も指摘している。

 国は4月の診療報酬改定で性別適合手術を保険診療としたが、ホルモン療法は自由診療のまま。保険診療と自由診療を併用する「混合診療」は原則禁止されている。

 声明では、ほとんどの手術希望例でホルモン療法を実施しているため、手術が保険適用にならない状況にあると指摘。今回の改定で直ちに恩恵を受ける人は少ないとの見方を示している。

 中塚教授によると、岡山大病院には当事者から「どれくらいの期間、ホルモン療法を中断すれば、手術が保険適用になるのか」といった問い合わせが10件以上寄せられているという。

 学会は、現行制度では「ホルモン療法を中断しても手術は保険適用にならない」と説明。中断すると更年期障害のような症状や骨粗しょう症を引き起こす恐れがあるとして、適切な治療の継続も呼び掛けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年04月14日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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