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岡山大が5月3、4日にフェスタ 和田淳教授に狙い聞く

「関心のあるテーマを選んで、健康について学びましょう」と呼びかける和田淳教授

健康フェスタの日程一覧

 岡山大学医学部・同大学病院が取り組む先端医療の研究成果や、積み上げてきた臨床実績を広く市民に公開する「健康フェスタ in Okayama」(岡山大学、山陽新聞社など共催、特別協賛=オージー技研、奥田財団、岡山コンベンションセンター)が5月3、4の2日間、岡山市北区駅元町の岡山コンベンションセンターで開かれる。がんや認知症などの重大な病気から、頭痛や耳鳴りといった日常生活で気になる症状まで、教授や専門医30数人が次々に登壇し、分かりやすく語りかける。初開催するフェスタの狙いや意義について、運営を担う同大学腎・免疫・内分泌代謝内科学講座の和田淳教授に尋ねた。

 <岡山大学医学部は1870(明治3)年に開設された岡山藩医学館を起源とし、2020年に創立150周年を迎える。フェスタは記念事業の一環として企画された>

 2011年からの10年間を医学部の「ルネッサンス期間」と位置づけ、さまざまな新しい事業に挑戦している。これまでは各領域、各診療科が個別に公開講座をやってきたが、今回は領域にこだわらず、岡山大学医学部・病院が一体となり、市民に健康についての知識を深めていただこうと企画した。

 岡山大学は槇野博史学長のもと、SDGs(持続可能な開発目標)をビジョンに掲げており、その目標の一つに「あらゆる年齢のすべての人々に健康的な生活を確保し、福祉を促進する」ことがある。社会が持続し進歩していくために、健康は必要不可欠の課題だ。

 <会場には三つの演壇を設け、18のテーマに沿って交互に講演が行われる>

 がんの中でも、患者が増えている肺がんや大腸がん、前立腺がんを取り上げる。運動器に障害が起きるロコモティブシンドロームは健康寿命に関係する。女性の健康や体操、歯周病など、なるべく広く参加してもらえるようにテーマを設定した。

 私の専門である慢性腎臓病(CKD)は成人の8人に1人が患っているとされ、「新たな国民病」と呼ばれている。講演テーマの一つであり、早期に見つけて人工透析にならないように、と呼びかけたい。

 特別講演は、免疫の研究でノーベル賞候補にも名前が挙がっている大阪大学の坂口志文特任教授と、画像を見ながら細いカテーテルや針で治療するIVRに詳しい岡山大学病院の金澤右院長にお願いした。

 <会場には展示ブースもあり、看護部、臨床栄養部、新医療研究開発センターなどの活動を紹介する>

 医学部では、岡山県をはじめ近県から奨学金が支給される地域枠コースの教育を行っている。地域医療実習などにも興味を持ってもらえるよう、展示を充実させたい。卒業生は医療機関だけでなく、官公庁や保健所などいろいろな部署で活躍している。中四国の地域医療に貢献してきた歴史を知っていただきたい。

応募要項

 「健康フェスタ in Okayama」の各講座は聴講無料。時間帯ごとに18のテーマで開かれ、それぞれ申し込みが必要。ホームページ(http://c.sanyonews.jp/kenko/)の「お申し込みはこちら」から、郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号・人数・希望の講座番号((1)~(18)、いくつでも可)を記入して送信する。はがきに記入し、〒700―8634(住所不要)、山陽新聞社広告本部「健康フェスタ」係へ郵送するか、ファクス(086―803―8113)で送信してもよい。定員になり次第締め切る。一部の講座は既に定員に達しており、聴講できない場合もある。問い合わせは事務局(086―803―8013=平日午前10時~午後5時)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年04月16日 更新)

タグ: 健康岡山大学病院

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