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がんや難病の子どもの復学支援に 就実大准教授ら絵本やパンフ制作

復学支援のために制作した絵本やパンフレットを手にする森口准教授

 がんや難病の治療を終えた子どもたちがスムーズに復学できるようにと、就実大教育学部の森口清美准教授(小児看護学)らの専門家チームが、絵本やパンフレットを制作するとともに、これらを無料でダウンロードできる専用サイト「school reentry(スクリエ)」を立ち上げた。子どもを支えるための心得を教員らに理解してもらうほか、学校でのがん教育にも役立ててもらう。

 絵本は「おかえり! めいちゃん」。白血病にかかった女児が入院生活や退院後の学校生活に不安を抱きながら治療をし、クラスメートに温かく迎えられて復学する物語。専門家チーム(代表・大見サキエ岐阜聖徳学園大教授)は全国の大学教員や医師らで構成し、全員でストーリーを考えた。授業で読み聞かせをする際に留意すべきポイントも掲載している。絵は岡山市在住のイラストレーター森邦生さんが描いた。

 パンフレットは、子ども向け、教員向けの2種類を作った。子ども向けは小学1年生でも理解できるような内容にしており、治療を終えた子どもがマスクや帽子を身に付けている理由などを分かりやすく説明。教員向けは、入院中から復学後まで、段階ごとに心掛けることを具体的に列記している。

 絵本とパンフレットは県教委などを通じて、県内の全ての院内学級と特別支援学校、院内学級がある岡山、倉敷、津山市の全小学校、市町村教委などに配布してもらう。県教委と連携し、教員や保護者らからの相談にも応じる。

 森口准教授は「入院中の子どもがどんな思いで過酷な治療に耐えているのか、復学の際にどのような配慮と支援が必要であるかを理解して、みんなで子どもを支えてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年04月22日 更新)

タグ: がん子供

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