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岡山で7月にゲノム医療国際会議 日本とASEANとの連携図る

 患者のゲノム(全遺伝情報)を調べて最適な薬や治療法を選ぶ「ゲノム医療」の研究促進に向け、日本と東南アジア諸国が連携を図る初の国際会議が7月、岡山市で開かれる。議論を通じて、欧米より遺伝的に近いアジア地域でゲノムなどのデータを集積・共有し、病気の原因遺伝子特定や創薬につなげる共同研究の可能性を探っていく。

 開催するのは「ASEAN―JAPAN ゲノム医療研究推進会議」。2003年に解読を完了した国際プロジェクト「ヒトゲノム計画」に加わった菅野純夫・元東京大教授、ゲノム医療分野で日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携を呼び掛けるタイの国家顧問でマヒドン大医学部のアーノン・ブンヤラトベ教授が会長を務める。ブンヤラトベ教授と中西徹・就実大薬学部教授が共同研究に取り組んでいることから、中西教授が開催委員長となり岡山市で開くことになった。

 参加者は日本をはじめ、タイやマレーシア、シンガポールなどから招待者を含め150人規模となる見通し。会長2人が基調講演するほか、パネルディスカッションには日常診療にゲノム医療を導入できるよう臨床研究プロジェクトを進める国立がん研究センター中央病院の山本昇・先端医療科長、厚生労働省の担当者らが登壇する。

 菅野会長は「アジアとの連携がゲノム医療の推進に大きな力を発揮する。欧州のような国際共同研究の枠組みをアジアでも構築することが望ましい」とする。

 推進会議は7月9~11日、岡山市の岡山コンベンションセンターと就実大で開催。米国で最も権威のある医学賞「ラスカー賞」受賞者の森和俊・京都大教授=倉敷市出身=の特別講演もある。

 大学生は無料だが、研究者らは有料。推進会議開催委員会ホームページ(http://www.ssmile.co.jp/mform)から参加申し込みなどができる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年05月29日 更新)

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