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県内小学校7割が保護者喫煙容認 県禁煙協調査、運動会や参観日

 岡山県内の小学校で、運動会などの行事の際に保護者らに禁煙を求めているのは3割にとどまることが、医師や愛育委員らでつくる県禁煙問題協議会(事務局・岡山市北区平田)が初めて行ったアンケートで分かった。小学校は健康増進法(2003年施行)で受動喫煙防止の努力義務を課されているが、7割は敷地内や付近での喫煙を認めており、同会は「禁煙が当たり前となるよう関係機関に働き掛けたい」としている。6日まで禁煙週間。

 アンケートは、県内の児童の保護者から、小学校行事での保護者の喫煙に異を唱える声が寄せられたのを機に、実態把握のために1月に実施。倉敷市を除く332校に送付し、うち209校から回答を得た。

 初めに、運動会や参観日で保護者や来賓の喫煙に対策を取っているか―と質問。行事別に複数の回答をした学校があるため延べ218校分となった答えのうち「喫煙しないようお願いしている」の項目を選んだのは66校(30・3%)にとどまった。最多は「敷地外で場所を決めて喫煙してもらっている」の94校(43・1%)。他は「敷地外で自由に喫煙」が49校(22・5%)「敷地内で場所を決めて喫煙」7校(3・2%)など。

 敷地外での喫煙に対する近所からの苦情の有無を尋ねたところ、回答数の6・2%に当たる13校が経験していた。具体例の記述では「副流煙が近くの家に来る」「吸い殻が落ちている」などがあった。

 喫煙・禁煙問題を巡る自由記述では「敷地外は個人の問題。学校として保護者らに言うべきかは疑問」「地域のボランティアが来校した時、断りづらい」「県教委などの決まりとの理由があれば保護者に強く言える」などが見られ、学校が悩みや戸惑いを抱えている様子をうかがわせた。

 同会の西井研治会長は「敷地内外を問わず受動喫煙の恐れがある上、子どもたちが大人の姿に興味を持ち吸い始める契機にもなりかねない」と学校周辺での禁煙を訴えている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年06月03日 更新)

タグ: 子供医療・話題

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