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小児がん患者「レモネード」支援 イオン岡山で10日慈善販売活動

レモネード代を入れる募金箱などを手に来場を呼び掛ける渡辺さん

 岡山市南区の看護師渡辺弥香さん(30)が、小児がん患者の支援に向け「岡山レモネードスタンドの会」を立ち上げた。「レモネードスタンド」はレモネードを売って収益金を寄付する米国発祥のチャリティー活動。10日にイオンモール岡山(同市北区下石井)で行う。

 渡辺さんは以前、国立がん研究センター(東京)に勤務。働く中で、患者やその家族でさえがんに関する正しい知識を得る機会が少ないと感じていたという。

 昨夏、自身の出身地・井原市で、小児がんから回復した横浜市の小学4年生(当時)栄島四郎君が、同じ病気の子どものためにレモネードスタンドを実施することを知り、フェイスブックを通じて「お手伝いがしたい」とメッセージを送った。当日、大声で懸命に呼び掛ける四郎君の姿を見て「『いつか』と思っていたがん啓発のための何かを『今やろう』と考えるようになった」という。

 今年1月に友人ら2人と「岡山レモネードスタンドの会」を発足。5月中旬に玉野市で初のレモネードスタンドを行い、2日間で見込み(400杯)を上回る601杯が売れた。「支援してくださる方が想像以上に多く、うれしかった」と振り返る。

 イオンモール岡山で実施する10日は4階の「みらいやのもり」で午前11時~午後5時、200杯を目標にレモネードを1杯100円で販売。収益金はがん患者を支援するNPO法人キャンサーネットジャパン(東京)に寄付する。会場では四郎君をモデルにした絵本「しろさんのレモネードやさん」(吉備人出版、12日発刊)の先行販売も行う。

 問い合わせは岡山レモネードスタンドの会(miiiika.7016@gmail.com)。

 レモネードスタンド 2004年に小児がんで亡くなった米国の少女が生前、レモネードを販売して病気の子どものために募金していた実話に基づく取り組み。活動が全米に広がった6月12日は「レモネードスタンドデー」とされている。日本ではNPO法人キャンサーネットジャパンが13年から活動を支援。同法人に申し込めば、コップや募金箱といった必要グッズがもらえる。17年度には各地で、同法人の支援するスタンド活動が114件行われた。

 ◇岡山中央、岡南RCも表町商店街で10日活動

 岡山中央ロータリークラブと岡山岡南ロータリークラブは10日、岡山市中心部の表町商店街でレモネードスタンド活動に取り組む。

 天満屋岡山店(同市北区表町)前でレモネードを提供。両クラブのメンバーや小児がん患者の家族、ボランティアの子どもら約40人が、1杯100円から募金を呼び掛ける。300杯を用意する予定。

 午前11時~午後2時。全額をNPO法人日本小児がん研究グループ(事務局・名古屋市)に寄付し、治療開発に役立ててもらう。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年06月09日 更新)

タグ: がん子供医療・話題

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