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認知症の悩み 当事者がアドバイス 笠岡で26日、県内初の相談会

仙台市の「おれんじドア」でスタッフらに話をする丹野さん(左)

 笠岡市と同市認知症介護研修センターは26日、認知症の本人が相談に応じる岡山県内では初の認知症相談「おれんじドア 笠岡こばなし」を同市笠岡の笠岡諸島交流センターで開く。当事者でないと分からない悩みや不安をきめ細かくフォローし、認知症になっても希望を持って社会参加できるようにする狙い。本年度内に計4回開き、来年度以降も続けていく。

 おれんじドアは39歳でアルツハイマー病と診断された仙台市の丹野智文さん(44)が「当事者が元気になれる支援を」と2015年に始め、名古屋市などでも開かれている。

 笠岡市は26日を皮切りに9月29日、12月中旬、3月中旬に開催予定。相談の聞き役は、59歳で認知症と診断されながらも各地で講演するなど自立した生活を送る竹内裕(ゆたか)さん(68)=広島市=と笠岡市在住の50代男性。9月は丹野さんが加わり、認知症とうまく付き合いながら自動車販売会社で今も仕事をしている経験を基にアドバイスする。

 認知症対策はこれまで介護する側の視点に偏りがちだったとされ、国は15年の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)で当事者の視点を重視した啓発や生きがい支援などの必要性を掲げている。

 同研修センターの宮本憲男副センター長は「認知症の人は介護する側が先回りするあまり『できない人』にされてきた面もあるが、仙台では相談に来た人が刺激を受けて後に相談の受け手に回っている。笠岡でも本人が自信を持ち、社会とのつながりを取り戻す場にしたい」と話している。

 場所はJR笠岡駅から徒歩約7分の笠岡港の一角で午前10時~午後2時開催。予約不要。問い合わせは、きのこ老人保健施設(0865―63―0700)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年06月11日 更新)

タグ: 高齢者

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