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岡山大学医学部・病院が初の健康フェスタ 研究成果や臨床実績紹介

両手にポールを持ち足腰に負担の少ない歩行を楽しむノルディックウオーキングの講座では、希望者が屋外に集まり、指導員に教わりながら実地体験した

特別講演では免疫学の第一人者でノーベル賞候補にも名前が挙がっている坂口志文大阪大学特任教授が登壇し、満員の来場者が熱心に聴講した

がん治療で脱毛を経験した人などが医療用ウイッグを試着する体験ブースも設けられた

 2020年に創立150周年を迎える岡山大学医学部・同大学病院が取り組む医療の研究成果や、培ってきた臨床実績を市民に分かりやすく紹介する初の「健康フェスタ in Okayama」(岡山大学、山陽新聞社など共催)が5月3、4の2日間、岡山市北区駅元町の岡山コンベンションセンターで開かれた。がん治療や臓器移植を可能にした免疫学の基礎といった最先端の講演をはじめ、健康づくりに役立つ体操・運動法を実演したり、介護や訪問看護の相談コーナーを設けたりと、健康について頭で学び体で実践する機会になった。

 両日で計18テーマの講座が用意され、大学教授や専門医ら30数人が登壇した。肺がん、大腸がん、前立腺がんなど日本人に多いがんの治療や、超高齢社会で課題となっている認知症やロコモティブシンドローム(運動器症候群)の予防を取り上げた。頭痛や耳鳴りなどの日常的な症状への注意や、「お薬手帳」の活用を呼びかけるなど、身近な話題にも関心が集まった。

 岡山藩医学館の開設(1870年)を起源とする岡山大学医学部・病院の歴史▽新薬や新しい医療技術を開発する治験の仕組み▽地域医療で活躍する医師を育てる「地域枠コース」の教育―などを説明するパネル展示もあった。

 糖尿病などに対応した食事療法の指導や、ポールを持って歩く全身運動「ノルディックウオーキング」の体験会も行われた。協賛企業・団体が健康増進やマッサージ効果のある機器、療養生活を助ける医療用ウイッグ、靴などを紹介するブースもあり、大勢の市民が訪れていた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年06月18日 更新)

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